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低報酬の総合事業は運営難で撤退へ

要介護認定がなくても利用できる新方式のシステム

従来の要支援レベルの1,2の方を対象とした介護予防訪問や介護予防通所のサービスが、新方式に移行して総合事業として取り扱われるようになっています。
この新方式ではいくつもの変更点がありますが、大まかな方針としては、より簡単にこうした介護予防ケアが受けられるようになっているということです。

大きな変更点としては、要介護認定を受けていなくても、25の基本項目のチェックリストに基づいて確認を行い、事業対象者として認められれば、この総合事業によるサービスを受けられるようになります。
こうした低報酬の総合事業は、引き続き訪問介護と通所介護によってなされることになっているのです。

しかし、この新方式への移行は思うように行っておらず、実際の利用割合は1割程度にとどまっていることが分かっています。
従来型のサービスを利用している人の方が圧倒的に多く、新方式の総合事業にあまり注目が集まっていないのが原因でしょう。

新方式に移行した理由とは?

この総合事業による新方式に移行した背景には、介護業界の人手不足と介護費用の削減という、介護業界に広く見られる課題が関係していました。
この新方式によって、介護事業を行うハードルがかなり下がっていますので、地域の事業者がこの事業に参入しやすくなっていますし、市民が介護サービスを提供するのが容易になっています。
この変更によって、よりたくさんの人が介護に関わり、地域での共生を成し遂げられるようになるという目論見があったのです。

そして、新方式の総合事業では低報酬介護ケアとなりますので、介護保険による請求額が減り、負担がかなり軽減されるという見込みがありました。
自治体にとっても国にとっても、社会福祉費というのは大きな割合を占めるようになっていますので、いかにして介護関連のコストを下げられるのかというのは大きな課題となっているのです。

軽度者ケアをメインとする事業者が撤退しているケースが多い

確かに、こうした課題を解決するために、新方式への移行は効果があるように見えますが、実際には介護事業者への負担という結果になっています。
特に軽度者へのケアを重視していた事業所では、低報酬となってしまったため、事業所の経営が一気に落ち込んでしまったのです。
そのため、事業そのものからの撤退を決めたところも少なくありません。

このように、新方式への移行によって、逆に軽度者へのケアを提供できるところが少なくなってしまい、より介護環境を悪化させてしまっているという状況も見られました。
そのため、人手不足や介護費削減をする際には、現場の状況をバランスよく見るということが非常に重要であることが分かります。